グリーンイノベーションのための分子ナノテクノロジー拠点形成

プロジェクト概要

本研究プロジェクトでは、環境低負荷型の有機及び無機触媒、物質変換反応及びプロセスを開発するグループ(テーマ1)と、環境低負荷型の新規機能材料を開発するグループ(テーマ2)が集結して、双方の研究成果を融合させ、グリーンイノベーションのための新しい分子ナノテクノロジーを開発します。
本プロジェクトは、これらの従来に例のないグリーンイノベーションのための分子ナノテクノロジーの開発により、人類がグローバルな問題として抱えている環境問題に対する“物づくり”を柱とした科学技術的な立場での解決に大きく貢献することを目指します。
特に、本プロジェクトでは、以下に示す4つの分野における研究を重点的に行います。

1)バイオマスの有効活用技術の開発

再生産可能な農林水産資源である糖質(セルロース、キシラン、キチン、キトサンなど)は、枯渇資源である石油に代わる次世代資源として有力ですが、いずれも高分子量体であるため、機能材料などの原料素材として活用するためには環境低負荷型の低分子化法の開発が必要です。この実現のため、有機触媒や光触媒などを用いた新手法を開発します。また、環境汚染の原因物質として地球上に大量に存在する二酸化炭素及び亜酸化窒素を資源化するための新規触媒・反応の開発を行います。

2)理想的合成反応の開発

環境に低負荷型の理想的合成法の開発を目的とし、無触媒反応、無有機溶媒反応、水中反応、電気化学反応、自動触媒化反応の開発や光学活性体の自動分離方法の開発を行います。さらに、実際の合成・創製を通して、これらの反応・手法が生理活性物質や機能性材料の実践的合成に有効であることを実証します。

3)環境低負荷型高分子材料の創製

汚染物質の多くに見られる油成分を選択的に、かつ効率良く吸収することで除去可能な新規高分子ゲルの創製及びそのリサイクル使用について検討します。さらに、有機溶媒を使用せずに、水を流出溶媒に用いて有機物質の分離を可能にする環境低負荷型の新しい物質分離デバイスの創製を行います。

4)環境低負荷型無機材料の創製

自己集積型金属錯体をコアとした環境低負荷型かつ多重機能型の新しい磁性液晶の創製を行います。また、環境低負荷型溶剤であるイオン液体を反応媒体として利用する金属ナノ粒子の創製を行います。

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